小児用肺炎球菌ワクチン(PCV13)(不活化)
- 肺炎球菌感染症とは
- 鼻やのどにいる肺炎球菌が血液の中に入り、細菌性髄膜炎や細菌性肺炎などを起こし、死亡や重い後遺症が残ることもあります。肺炎、菌血症、重い中耳炎の原因にもなります。
肺炎球菌感染症は、乳幼児と高齢者で頻度が高く、2/3が抗菌薬への耐性化が進んでいます。細菌性髄膜炎の場合、Hibより予後が悪い(死亡・後遺症例)ことが知られています。小児でワクチンの接種率が高まれば、高齢者への間接効果が望めます。 - 接種時期と回数
- 生後2ヵ月~6ヵ月に接種開始の場合、全4回
(27日以上の間隔をあけて3回、生後12ヶ月から15ヶ月になるまでの間に、3回目から60日以上の間隔をあけて1回)
2013年11月から従来の7価ワクチン(PCV7 :7種類の肺炎球菌に予防効果があるワクチン)が
13価ワクチン(PCV13:13種類の肺炎球菌に予防効果があるワクチン)に切り替わりました。
13価ワクチンは、7価ワクチンに新たに6種類の抗原(血清型1、3、5、6A、7F、19A)を加えたワクチンです。この6種類の抗原の中には、世界的に増加傾向が認められ、薬剤耐性菌の比率が高い血清型19Aも含まれています。
すでに従来の小児用肺炎球菌の7価ワクチンの接種が完了している場合に、さらに13価ワクチンを1回接種することで、新たに6種類の肺炎球菌に予防効果があります。接種スケジュールは、7価ワクチンの最終接種から8週以上あけて13価ワクチンを1回接種します。任意接種となるため接種費用は自己負担ですが、渋谷区在住の1~3歳の方は5000円の補助金が出ます。
日本においても血清型19Aの感染割合は近年増加しており、13価ワクチンは血清型19Aに対する有効な予防手段として期待されているため、積極的な接種をおすすめいたします。
監修:副院長 木村絢子
編著 副院長 木村絢子