滲出性中耳炎|渋谷区代々木の南新宿クリニック耳鼻科・小児科

土日も診療。子育て中のお父さん、お母さんをも含めてサポートできる耳鼻科・小児科 南新宿クリニック。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎とは

 

 滲出性中耳炎とは、鼓膜は破れず(従って耳だれはありません)、中耳に液の溜まるタイプの中耳炎で、急性中耳炎から移行する場合も、急性中耳炎の時期がはっきりしないまま(従って、痛みもほとんどなく)起こることもあります。
成人にも見られますが、特に小児に多い病気です。

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原因

 

 この中耳炎は中耳腔(鼓膜の裏側の骨に囲まれた空間)と鼻の奥(上咽頭)を連絡している耳管と呼ばれる管の働きが不良なために起こるとされています。
 外耳道(耳の穴)は鼓膜があるため、中耳腔とは交通がありませんので、耳管は中耳に空気を送ったり、中耳の分泌液をノドに排泄する重要な働きをしています。
 この働きがうまくいかないため、中耳腔(本来、空気が入っていなけらばならない)に液体が溜まったり、中耳腔の空気が不足して、外気の圧力で鼓膜が内側にへこんだ状態になったりします。
 鼻や上咽頭の疾患(風邪に伴う鼻やノドの炎症、鼻炎、副鼻腔炎、慢性状咽頭炎)やアデノイドは耳管の働きを障害し、滲出性中耳炎や急性中耳炎の原因になります。

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症状

 

 急性期(特に風邪等の際)には耳の痛みを生じることも多いのですが、それ以外の時期は、特に小児の場合、無症状だったり、あるいは時に軽い痛みを訴える程度の症状で、周囲の人や学校の検診で耳が遠いことに気づかれたりして、専門医を受診して分かることもしばしばあります。

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経過

 

 一般的に慢性の経過をたどり、増悪、改善を繰り返します。風邪の際は増悪し、また季節的にも冬期増強する傾向を示します。年齢が上がると(一般的に小学生高学年頃)治癒の傾向が強まります。
 しかし、比較的稀ですが、癒着性中耳炎(難聴が固定する)、真珠腫性中耳炎(骨破壊を起こす中耳炎)等を引き起こすと言われていて、十分な経過観察が必要です。また、滲出性中耳炎による難聴(特に両側の場合)は成長期の子供の発達にとって大きなマイナスになります。

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治療

 

 耳管の働きにとって障害となっている鼻や上咽頭の疾患、アデノイドに対する治療はこの病気の改善につながります。
 しかし、薬剤で改善が乏しく、中耳の貯留液が長期に渡っても消失しない場合、鼓膜切開を行って液を吸引する方法もあります。
(更に鼓膜にチューブを挿入する方法は、この病気の治療と再発防止に非常に有効なことが認められています。)

 

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関連する病気・症状

・急性中耳炎

・鼻水

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<監修者情報>

木村 暁弘 院⻑

平成16 年東京慈恵会医科大学卒業。その後研修医として耳鼻科の専門性を高めるため、耳鼻咽喉科学教室に入局。同大学病院と関連病院にて耳鼻咽喉科診療、睡眠外来に従事し当院開院。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医。いびき・睡眠時無呼吸症候群などの睡眠医療を専門とし、耳鼻科・小児科の連携による子どもから大人まで三世代が受診しやすいクリニックづくりをモットーとしている。
日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本睡眠学会認定専門医、補聴器適合判定医