溶連菌感染症
溶連菌性感染症
溶連菌性感染症について
- どんな病気なの?
A群β溶血性連鎖球菌という細菌の感染でおこる病気の総称です。多くは咽頭炎(のどの風邪)ですが、中耳炎や皮膚化膿症をおこすこともあります。
2~10歳頃に多く、患者の咳やくしゃみで飛び散り、それを吸い込んで感染する飛沫感染と皮膚からの接触感染があります。溶連菌性咽頭炎では、潜伏期間はおおよそ2~5日です。A群β溶血性連鎖球菌にも、いろいろなタイプがあり、何度か感染する可能性があります。
- どんな症状が出るの?
発熱、咽頭痛、イチゴ舌、赤く細かい発疹などが特徴です。(これらの症状は、すべて出るわけではありません。)嘔気や咳などの症状が出ることもあります。合併症として気をつけるものには、リウマチ熱や急性腎炎などがあります。
- どんな治療をするの?
抗菌薬の治療が有効です。抗生物質を服用すると2~3日で熱や他の症状も改善しますが、溶連菌は残っていて再発や合併症の危険があります。10〜14日間は抗菌薬の内服を続け、しっかり除菌することが必要です。症状によっては、溶連菌と診断された2~5日後位に経過をみるために再診していただくこともあります。
また、通常発症してから約2~3週経過した頃に尿を調べ、血尿や蛋白尿の出現がないかを確認します。お子さんによっては、その後も定期的に尿の検査などをすることがあります。
- 家庭ではどんなことに気をつけたらよいですか?
1.薬は症状がなくなっても、きちんと決められた期間飲みましょう。
2.食欲がないときは水分を中心に口当たりの良いものをとらせて下さい。
3.熱が無く、元気がよければ入浴はOKです。
4.周りの人にうつる危険性があります。医師の許可がおりるまでお家で安静に過ごしましょう。兄弟や両親に同じ様な症状があるときは、受診して診察を受けて下さい。通常、抗菌薬を飲んで24時間以上経って全身状態が良ければ、他人にうつりにくくなります。
- 早めに再診をしたほうがよいのはどんな時ですか?
2日以上たっても熱が下がらないときや、のどの痛みが強くて水分などをあまりとれないときは早めに再診してください。また、溶連菌と診断されてから数週間経っていたとしても、顔や足のむくみや、おしっこが赤いときなどは再診するようになさってください。
<監修者情報>
木村 絢子 副院⻑
平成19 年東京慈恵会医科大学卒業。研修医としてプライマリーケアを学び、小児科全般の治療に従事。その後、同大学医学部附属第三病院にて病棟⻑として勤務。小児科疾患以外にも、日本アレルギー学会アレルギー専門医として、小児アレルギー疾患を得意とし、お子さま
の健やかな成⻑を医療を通じて⾒守る医師として活躍。
日本小児科学会認定小児科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医