ウイルス性胃腸炎|渋谷区代々木の南新宿クリニック耳鼻科・小児科

土日も診療。子育て中のお父さん、お母さんをも含めてサポートできる耳鼻科・小児科 南新宿クリニック。

ウイルス性胃腸炎

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎とは

主にウイルスや細菌などの微生物を原因とする胃腸炎の総称です。細菌によるものは夏場に集中し、ウイルスによるものは秋から冬にかけて流行が多いとされていますが、1年を通してみられることもあります。

 原因ウイルスには、「ノロウイルス」、「ロタウイルス」などがあります。
 (「ロタウイルス」による胃腸炎は、特に乳幼児に多く見られます。)
 主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などです。

これらの胃腸炎は、特別な治療法がないことから、ウイルス検査を行わず、流行状況や症状から「感染性胃腸炎」と診断されることが多いです。

●ノロウィルスの場合

口などから体に入ると、24~48時間の潜伏期間を経て発症します。
 通常、3日間くらいで軽快しますが、発症当日の症状が激しいのが特徴です。


●ロタウィルスの場合

潜伏期間は24〜72時間です。発熱・嘔吐・下痢が3大症状です。
 酸味の強い異臭のする白色水様下痢が3-8日以上続きます。
 乳幼児は脱水などをおこしやすく注意が必要です。予防のためのワクチンがあります。

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どうやって感染するの?

口から感染するものがほとんどです。(経口感染)
(ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、次のような感染経路があります。)

・感染した人の便や吐物に触れた手指を介して口に入った場合
・便や吐物が乾燥して、細かな塵となって舞い上がり、一緒にウィルスを体内に吸い込んだ場合
・感染した人が十分に手を洗わず調理を行い、その調理済み食品を介する場合
・感染した人が十分に手を洗わず調理を行い、その調理済み食品を介する場合
・子供やお年寄りなどは特に、人が集まる場所で感染してしまう事も多いです。

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発症したらどうすればいいの?

ウイルスを原因とする感染性胃腸炎への特別な治療法はなく、つらい症状を軽減するための処置(対症療法)が行われます。
特に、乳幼児や高齢者では嘔吐・下痢等による脱水症状を生じることがあるので早めに医療機関を受診することが大切です。
水分補給や安静に努め、回復期には消化しやすい食事をとるよう心がけましょう。

☆水分補給の仕方
・吐き気が強い場合は、欲しがってもしばらく飲ませないようにします。(1時間くらい)
・その後、水分は1口(ペットボトルのフタに乗る程度の少量)から開始します。
・水分は、「少量ずつ何回かに分けて」与えます。
・水分だけでなく、塩分も失われることが多いので、白湯やお茶だけでなく、市販のイオン飲料などを合わせて使うと良いでしょう。

市販のイオン飲料の代わりとして、自宅で作った経口補水液を与えるのも有効です。

【作り方】
鍋に水1Lを入れ、砂糖40g(上白糖で大さじ4と1/2程度)、食塩3g(小さじ1/2杯程度)をよく溶かし飲みやすい温度にする。
果汁などを少量混ぜると飲みやすくなります。
☆ 発症者の吐物や便の中には、多量のウイルスが含まれ、感染が広がる可能性があります。
次のことに注意しましょう。
・ 気持ちが悪くなったら、ポリ袋など密閉できる容器に吐くようにし、漏れないようにしましょう。
・ 便や吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、片付け終わったらゴミはすぐに捨て、洗濯物は塩素系漂白剤などで消毒しましょう。処理後は液体石けんと流水で
十分に手を洗いましょう。
・ 吐物などで汚れた床は、新聞紙やペーパータオルなどで拭き取った後、塩素系漂白剤をしみこませたティッシュペーパーなどで拭き取り消毒しましょう。
・ 吐物や便で汚れた衣類等は、塩素系の漂白剤に30分間浸し消毒してから洗濯しましょう。
・ スチームアイロンや布団乾燥機などの加熱も有効です。(85°C以上で1分間以上)
・ 吐物などで汚れた部屋では、ウイルスが浮遊することがあります。換気を十分にしましょう。
・ 症状がなくなった後も、1週間程度(長いときは1ヶ月程度)ウイルスが便中に排泄されることがあるので、対策はしっかりと続けましょう。
【※】 塩素系の漂白剤として市販のキッチンハイターなど、塩素系の消毒剤として市販のミルトン やピューラックスなどを利用できます。

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どうやって予防するの?

予防の基本は手洗いと加熱です。
特にノロウィルスは、乾燥に強く、アルコールなどの殺菌剤が効きにくい特徴があります。

・最も大切なのは手を洗うことです。
 特にトイレの後、調理や食事の前にはよく泡立てながら手と手をよく擦りあわせて、最後に流水で十分に手を洗います。(※石けんは手指からウイルスをはがれやすくする効果があります。)
・手洗い等で使用するタオル等は清潔なものとし、共用は避けます。
・便や吐物を処理する時は、使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し、片付け終わったらゴミはすぐに捨て、洗濯物は塩素系漂白剤などで消毒しましょう。処理後は液体石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
・カキなどの二枚貝は、中心部まで十分に加熱しましょう。(中心温度85°C以上で1分間以上の加熱が必要です)

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どういうときに緊急で受診したほうがいいの?

脱水症状が強い時や腹痛が強い時、血便が出た時は、特に注意しましょう。
 以下のようなときは、脱水症状が重症な可能性があります。
 点滴や入院が必要となるため、大きな病院への受診をおすすめします。
・尿が出ない、泣いても涙が出ない。
・唇・舌がカサカサする。皮膚の乾燥。手足が冷たい。
・顔色が悪く、眠ってばかり。ぐったりしている。
・眼が落ち凹んでいる。
・嘔吐が続く。あるいは緑色の嘔吐。

初期症状が胃腸炎と似ていて、見分けがつきにくい疾患もあります。
 腹痛が強い場合、血便が大量に出た場合、特に緊急性が高く、注意すべきは以下の疾患です。
・虫垂炎:5歳以上の小児に多いです。
 腹痛は最初、みぞおちの辺りにありますが、徐々に右下腹部に移動します。
 歩くときお腹にひびくため、患者は前かがみの姿勢をとりゆっくり動きます。
・腸重積:生後3・4ヶ月〜1歳くらいに多い疾患です。
 腸の一部が同じ腸に潜り込んでしまい腸閉塞を起こし、放置すると腸の壊死が起こります。
 血便、腹痛、嘔吐、腹部腫瘤が主要症状です。血便はイチゴジャム様。周期的に不機嫌になったり、泣いたり、吐いたりします。
 上記が強く疑われる場合、入院や手術が必要になる可能性があるため、大きな病院への受診をおすすめ致します。他にも、発熱と嘔吐から始まる髄膜炎なども胃腸炎と区別がつきにくい疾患です。ぐったりしていて様子がおかしく心配なときは、医療機関にご相談下さい。

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関連する病気・症状

・発熱

・嘔吐

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<監修者情報>

木村 絢子 副院⻑

平成19 年東京慈恵会医科大学卒業。研修医としてプライマリーケアを学び、小児科全般の治療に従事。その後、同大学医学部附属第三病院にて病棟⻑として勤務。小児科疾患以外にも、日本アレルギー学会アレルギー専門医として、小児アレルギー疾患を得意とし、お子さま の健やかな成⻑を医療を通じて⾒守る医師として活躍。
日本小児科学会認定小児科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医