ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん)ワクチン
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、持続感染することで、以下の疾患の原因になります。性交経験がある女性であれば誰でも感染する可能性があります。
2024年4月から渋谷区にお住いの男子(小学6年生~高校1年生)に対しても助成が始まりました。
ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん)ワクチンについて
- ●ヒトパピローマウイルス(HPV)って何?
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ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性交渉のある80%の人が持続感染する病気で、子宮頸がんなどの病気の原因になるウイルスです。誰もが感染する可能性のあるウイルスですが、早期のワクチン接種で感染や発症を防ぐ効果が期待できます
- ●ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症の病気
- 子宮頸がん
(子宮頸がんの原因となるHPVの代表:16型、18型) -
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こることが知られています。HPVはとてもありふれたウイルスで、性交渉の経験がある女性の80%以上が、50歳までに感染を経験すると言われています。特に若い年代の感染率は非常に高いと言われています。
初期には症状がほとんど現れず、気付いた時にはすでに進行していた、というケースも少なくありません。子宮頸がんの発見が早ければ、子宮の摘出手術などをせずに、子宮を守ることもできます。 - 外陰上皮内腫瘍
(発症に関係するHPV:16型、18型) -
外陰上皮内腫瘍は、外陰がんに先行して見られる場合がある腫瘍で、HPV感染が原因となっているのは約半数です。外陰がんは女性性器のお外陰部に発生するがんで、婦人科のがんの約3%を占めます。
- 膣上皮内腫瘍
(発症に関係するHPV:16型、18型) -
膣上皮内腫瘍は腟がんへ進行する可能性がある腫瘍で、HPV感染が主な原因です。膣がんは、女性性器の腟にできるがんで、女性性器がんの約1%を占めます。
- 尖圭コンジローマ
(発症に関係するHPV:6型、11型) -
直径1~3ミリ前後の良性のイボが性器や孔紋のまわりにできる病気です。痛みやかゆみがほとんどなく、さまざまな形状のイボができます。大きくなるとカリフラワーやニワトリのトサカのような状態になることもあります。再発しやすく完治は難しいといわれています。
妊娠している女性が尖圭コンジローマを発症していると、出産するときに産道で赤ちゃんにHPVが感染してしまう可能性があります。生まれて来た赤ちゃんがHPVに感染した場合、ごくまれですがのどにイボができる再発性呼吸器乳頭症(RBP)を発症してしまうことがあります。この場合、声がかれたり、イボが大きくなることで呼吸困難になり、命にかかわることもあります。イボを取り除くため、10回、20回と手術を繰り返すこともあります。
- ●ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん)ワクチン接種で期待できる効果
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子宮頸がんの主な発症原因である、ヒトパピローマウイルス16型・18型への感染を予防します。ワクチン接種と継続的に検診を受けることで子宮頸がんの発症や重症化を防ぐ効果が高まります。
また、発がん性のある他の型のヒトパピローマウイルスに対する効果もある程度期待できます。ヒトパピローマウイルスは性交渉経験のある80%の人が50歳までにかかると言われていますが、ワクチン接種で抗体価を高い状態で持続する効果が期待できます。・9価のワクチン(シルガード9)
予防する病気:子宮頸がん(16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型)、肛門がん・尖圭コンジローマ(6型、11型)
接種対象:9歳以上 ※定期接種の対象は小学校6年生から・4価ワクチン(ガーダシル)
予防する病気:子宮頸がん(16型、18型)、肛門がん・尖圭コンジローマ(6型、11型)
接種対象:9歳以上 ※定期接種の対象は小学校6年生から・2価ワクチン(サーバリックス)
予防する病気:子宮頸がん(16型、18型)
接種対象:9歳以上 ※定期接種の対象は小学校6年生から
- ●接種時期と回数
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ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん)ワクチンは、小学校6年生~高校1年生(16歳)までの女の子が定期接種の対象で、自己負担なく公費でワクチン接種を受けられます。
当院では初めて接種する女性にはシルガード9をご案内しております。
接種回数は、9歳~14歳までの臨床試験で2回接種と3回接種で効果に大きな差が出なかったことより、当院では、15歳未満で接種を開始する場合には2回の接種で、1回目と2回目は5カ月以上空けて接種をしていただきます。15歳以上で開始した場合には、1回目と2回目は2カ月以上空け、更に3回目は2回目から3カ月以上空けて接種していただきます。
15歳未満でも3回目の接種を希望される方は15歳以上と同様に1回目から2カ月程度空けて2回目をご案内させていただきます。 - ・接種間隔
①15歳未満の場合
- 希望があれば、15歳以上と同様のスケジュールで3回接種も可能ですのでお気軽にご相談ください。
- ②15歳以上の場合
- ●子宮頸がんの積極推奨について
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ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん)ワクチンは、副反応が懸念されたため2013年以降、積極的な接種の推奨が控えられていました。しかし、8年にわたる検証の末、特段の懸念が認められないことが確認され、副反応のリスクよりも感染症対策の有効性が高いと認められました。(2021年11月26日、厚生労働省健康局長通知)当院でもお子様一人一人の健康な生活のサポートを進めるため、ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がん)ワクチンの接種を行ってまいります。南新宿クリニック 耳鼻科・小児科 副院長 木村絢子
<監修者情報>
木村 絢子 副院⻑
平成19 年東京慈恵会医科大学卒業。研修医としてプライマリーケアを学び、小児科全般の治療に従事。その後、同大学医学部附属第三病院にて病棟⻑として勤務。小児科疾患以外にも、日本アレルギー学会アレルギー専門医として、小児アレルギー疾患を得意とし、お子さま
の健やかな成⻑を医療を通じて⾒守る医師として活躍。
日本小児科学会認定小児科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医