はしか
はしか
はしかについて
- 麻疹とは
麻疹は、大人でも子どもでも、免疫を持っていなければ罹患することがあります。うつる力が強く(飛沫感染・空気感染)、とても重い病気です。潜伏期間は7~18日間です。
症状の経過
① はじめの2~3日は熱、咳、鼻水、目やになど、風と同じ症状で、この時期にはしかと診断するのは難しい。
② いったん熱が下がり、再び高熱が出ると同時に、全身に発疹が現れる
③ 発疹が現れてからも、さらに3~4日高熱が続きます
④ 解熱とともに発疹も自然に消えていきますが、肌に色素の沈着が茶色に残ります。
しかし、麻疹にかかっている間とその後しばらくは免疫力が衰えているので、別の細菌による中耳炎や肺炎を同時に起こしやすくなります。細菌感染症にかかったら、抗菌薬を使って治療をしますが、肺炎により死亡する場合もあります。
脳にも炎症が起こり、歩けなくなったり、記憶力が低下したりします。このような症状は基本的に治ることがなく、発症から数年で亡くなってしまうことがほとんどです。
麻疹患者さんのうち1,000人に1人ほどは亡くなる可能性があるとされ、日本でも子どもの死亡例が報告されています。
- 麻疹の治療
ウィルスによる感染症のため、特効薬はありません。対症療法が中心となります。脱水に陥らないためにこまめな水分摂取と安静が重要です。合併症の恐れがある場合は抗菌薬を投与するなど、合併症に応じた治療を行うこともあります。
- 家庭で気をつけること
① 高い熱:熱が続くときは、解熱剤や氷嚢を使って快適に過ごせるようにしてください。
② 強い咳:咳止めを処方しますが、それでも強い咳が続きます。
③ 食べ物:食欲は落ちることが多いので、消化の良い少量でも高カロリーの食事がおすすめです。
④ 入浴:発疹が薄くなり、咳も少なくなって熱がなければ、入浴してもよいでしょう
<監修者情報>
木村 絢子 副院⻑
平成19 年東京慈恵会医科大学卒業。研修医としてプライマリーケアを学び、小児科全般の治療に従事。その後、同大学医学部附属第三病院にて病棟⻑として勤務。小児科疾患以外にも、日本アレルギー学会アレルギー専門医として、小児アレルギー疾患を得意とし、お子さま
の健やかな成⻑を医療を通じて⾒守る医師として活躍。
日本小児科学会認定小児科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医