ヒブ(Hib)ワクチン 南新宿クリニック 耳鼻科・小児科

土日も診療。子育て中のお父さん、お母さんをも含めてサポートできる耳鼻科・小児科 南新宿クリニック。

ヒブワクチン(不活化)

■ヒブ感染症とは
ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型という病原体が原因で、略してヒブ(Hib)といわれます。インフルエンザ菌はいわゆる「インフルエンザ」を起こすインフルエンザウイルスと混同されますが、全くの別物です。
■ヒブ感染症の感染経路
ヒブは人ののどや鼻の奥にいる身近な最近です。
感染経路は主に咳やくしゃみを吸い込むことで感染する飛沫感染が多いです。
■ヒブ感染症が引き起こす主な病気
○細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)
脳や脊髄(せきずい)をつつむ髄膜(ずいまく)に細菌が入り込んで炎症を起こし、発熱、嘔吐、頭痛、けいれんなどの症状を起こします。進行すると意識が低下し、難聴や四股の麻痺などの後遺症を残したり命を落とすとこもあります。

○急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)
喉頭蓋(こうとうがい)とは食べ物を飲み込む時、気道に入らないように蓋をする働きをするものです。
この喉頭蓋が感染により炎症を起こし、腫れることによって発熱や呼吸が苦しくなるなどの症状が現れます。重症化すると空気の通り道を塞いでしまい、死亡することもある病気です。

日本では抗菌剤を使用する機会が多く重篤な髄膜炎は防げていましたが、抗菌剤の使いすぎによる耐性菌の問題が出てきました。耐性菌とは、抗菌剤が効きにくく、治りにくい感染症の原因になります。特に抵抗力が弱い小児に対する予防の必要性が見直されてきました。
■ヒブワクチンの効果
ワクチン接種により重症なヒブ感染症をほぼ100%予防できます。
ヒブワクチンは2013年から定期接種のワクチンになり、2014年以降、重症なヒブ感染症は1例も報告がありません。
ヒブワクチンの接種はワクチンを接種していない方への感染症拡大を予防する効果も期待できます。
■接種時期と回数
ヒブワクチンは、十分な免疫を作るのに3回接種する必要があります。さらに免疫を長続きさせるために、1歳になってからもう1回接種することが必要です。

生後2ヵ月~6ヵ月に接種開始の場合、全4回
(4週~8週間隔をあけて3回、3回目終了後7〜13ヶ月以上あけて1回)


■ワクチン接種ができない方
・発熱がある方
・重篤な急性疾患にかかっている方
・ワクチンの成分によってアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)を起こしたことがある方
■ワクチン接種に注意が必要な方
以下に当てはまる方は事前にご相談ください。

・心臓、血管、腎臓、肝臓、血液に持病がある方
・これまでの予防接種で接種後2日以内に発熱や全身性発疹等アレルギーを疑う症状のある方
・過去にけいれんの既往がある方
・過去に免疫不全の診断がなされている方
・先天性免疫不全症の病気をもっている近親者がいる方
・ワクチン成分に対してアレルギー反応を起こすおそれのある方

編著 副院長 木村絢子

<監修者情報>

木村 絢子 副院⻑

平成19年東京慈恵会医科大学卒業。研修医としてプライマリーケアを学び、小児科全般の治療に従事。その後、同大学医学部附属第三病院にて病棟長として予防接種・健診外来を担当。現在は、渋谷区立初台保育園 園医を担当。
日本小児科学会認定小児科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医