航空性中耳炎、ダイビング外来 |渋谷区代々木の南新宿クリニック耳鼻科・小児科

土日も診療。子育て中のお父さん、お母さんをも含めてサポートできる耳鼻科・小児科 南新宿クリニック。

航空性中耳炎、ダイビング外来

航空性中耳炎、ダイビング外来

航空性中耳炎について


 一見関係なさそうな空と海ですが、気圧や水圧の変化によって耳管や副鼻腔が影響を受けるという点が共通しています。
  航空会社で勤務していた経験やダイビングをやっていた経験(PADIレスキューダイバー)を生かした上で、耳管機能などの客観的な評価(検査は月・金曜日の15時に予約制)も必要に応じて施行しながら、お悩みの方のお力になりたいと思っております。

航空性中耳炎とは、飛行機が上昇・下降するときの気圧変化が原因で起こる中耳炎のことをいいます。(航空性中耳炎は上昇時よりも下降時に生じることが多いです。)
2015.3.1付の日本経済新聞「航空性中耳炎 対策あり」という記事でも解説させて頂きました。

●典型的な症状
一般の急性中耳炎や滲出性中耳炎と同様な耳症状をおこし
・耳痛(耳が痛い)
・耳閉感(耳がつまった感じ)
・難聴(聞こえにくい)
などが主たる症状です。
しかし、高度な場合は内耳のリンパ液が漏れてめまいや耳鳴をおこすこともあります。

耳管機能が悪くなる原因としては、体質的な耳管機能障害もありますが、感冒、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などに伴うものが多いです。稀なものですが、鼻の奥にある上咽頭という部分の腫瘍性病変にも注意が必要です。

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航空性中耳炎の治療

 通常の中耳炎に対する治療と同様です。細菌感染を伴うと炎症が悪化するためそれに対する抗生剤、抗ヒスタミン薬、消炎酵素剤などが使われます。風邪や鼻炎がある人はその治療ももちろん重要です痛みなどの急性症状は数日以内に改善することが多いですが、耳閉感、難聴は改善するまでに週単位で時間がかかることもあります。
 薬による保存的治療で症状が改善しない時や、中耳に貯留液や膿汁を認める時には、鼓膜切開を行う場合があります。また、>繰り返し起こす場合、鼓膜にチューブを留置したり、鼻呼吸障害が原因となっている場合は、それに対する手術も検討が必要なことがあるため、手術可能な病院に御紹介させて頂くこともあります。

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航空性中耳炎の予防法

大切な出張先や楽しい旅行中に航空性中耳炎に悩まないよう、
できることとしては以下のようなことがあります。

① 搭乗中(特に下降時)アメをなめたり、飲み物を少しづつ頻回に飲む。
 (ただし、飲酒は耳管周囲の粘膜を腫脹させてしまい、眠ると唾を飲む回数が減ってしまうため避けることが望ましいです。)
② 風邪や鼻炎がある人はその治療。
③ 搭乗時・下降時に点鼻薬(ステロイド剤や血管収縮剤)の使用。
④ 飛行機用の耳栓を使用。
⑤ 航空性中耳炎が心配な方は、事前にかかりつけの耳鼻科の医師に相談する。


 ダイビングをやるような耳抜きに慣れた方は、耳抜きも有効です。
耳抜き(両鼻をつまんで口を閉じ静かに息を吹いて鼻の奥に圧力をかける:valsalva法)が適切に出来ると中耳の気圧と外気圧の圧力差がなくなり、症状が改善されます。
 しかし、うまくできない時に無理にやってしまうと、逆効果となって中耳炎になってしまう時もありますのでお気をつけください。
 耳抜きが苦手な場合、状態が落ち着いた段階で、自己耳管通気器具を使用して耳抜きを練習するという方法もあります。

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<監修者情報>

木村 暁弘 院⻑

平成16 年東京慈恵会医科大学卒業。その後研修医として耳鼻科の専門性を高めるため、耳鼻咽喉科学教室に入局。同大学病院と関連病院にて耳鼻咽喉科診療、睡眠外来に従事し当院開院。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医。いびき・睡眠時無呼吸症候群などの睡眠医療を専門とし、耳鼻科・小児科の連携による子どもから大人まで三世代が受診しやすいクリニックづくりをモットーとしている。
日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本睡眠学会認定専門医、補聴器適合判定医